2013年04月26日 情報科学類 コンピュータリテラシ 筑波大学 システム情報系 情報工学域 新城 靖 <yas@cs.tsukuba.ac.jp>
このページは、次の URL にあります。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2013/2013-04-26
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/
http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/
電子メール は、電話や(普通の)手紙と同じように、個人と個人の間で情報を交換するた めの仕組み。
電子メールを読み書きするプログラムは、 メール・リーダ(mail reader) または、 メーラ(mailer) という。 「リーダ(reader)」といっても、書くこともできる。
種類
電子メールを使う上で重要な考え方
1通の電子メールは、次のような形式を持っているテキスト(文字データ)。
From: Shiro Yagi <shiro@is.tsukuba.ac.jp>
To: kuro@cc.tsukuba.ac.jp
cc: shiro@is.tsukuba.ac.jp
Subject: Visit my WWW page
Date: Mon, 19 Jan 2010 23:42:25 +0900
Message-Id: <201001231442.k0NEgPTw003900@maple.is.tsukuba.ac.jp>
こんにちは。白やぎです。
WWWページを作ったので見てください。URL は、
http://www.is.tsukuba.ac.jp/~shiro/
です。
♪♪ 白やぎ
♪♪ http://www.is.tsukuba.ac.jp/~shiro/
多くのメール・リーダでは、1通の電子メールのことを メッセージ(message) と呼んでいる。
電子メールのテキストは、大きくヘッダと本文に分かれる。
From:
To:
Cc:
Date:
Subject:
From:
には、差出人の、
To:
と Cc:
には、受取人の電子メール・アドレスが置かれる。
電子メール・アドレス(e-mail address)
とは、電子メールを届ける時に配送プログラムが使う記号。
現在よく使われている形式:
user@domain
「@
」より前の部分は、個人を特定するための情報。
「@
」より後ろの部分は、
電子メールをどのコンピュータに届ければいいかを示している。
ドメイン形式のホスト名が使われる。
To:
: とCc:
: は、受取人の電子メール・アドレスが置かれる。どち
らにアドレスを書いても同じように届けらるが、To:
は、本来の宛先を
書き、Cc:
にはついでに連絡したい宛先を書く習慣になっている。Cc は、
Carbon Copy に由来する。
Date:
は、電子メールが出された日付と時刻。
Subject:
は、題名(題目、表題、件名)。
「件名」という日本語は存在しなかった。
電子メールの本文は、普通のテキストだが、1行の長さがだいたい漢字で30 文字〜35文字、英語のアルファベットで60文字〜70文字になるように、 折り返されている(改行が入っている)。このようにしておくと、引用という 機能を利用する時に便利。
電子メールで 引用 とは、返事などを書いたときに何に対する返事か分かりやすいように他の人の 書いた電子メールの一部を自分の電子メールに含めること。
本文の末尾には、 署名 ( シグニチャ(signature) ) が現われることが多い(付けなくてよい)。
署名とは、普通の手紙の末尾に署名をするのと同じように、末 尾に自分の名前や自分独自の記号を書く。署名は、簡潔で短いものが好まれて いる。1つの目安としては、「4行以内」。
電子メールのメッセージの型式は、RFC822 (その改訂版のRFC2822) で定めら れている。
電子メールは、「 メール・ボックス 」と呼ばれている ファイル(またはディレクトリ) に保存される。メール・ボックスは、プログラムによっては、 フォルダ(folder) や トレイ(tray) と呼ばれることもある。 メール・ボックスには、次の2種類がある。
/var/spool/mail/user
や
/var/mail/user
という名前のファイル。
(coins では、
各自のホーム・ディレクトリの下の ~/Maildir/ の下。
)
メール・リーダが表示するのは、多くの場合、後者のメール・ボックスである。 新しく届いたメールを読む時には、前者から後者へメールを移す必要がある 場合がある。 この作業を、 「 (電子メールを)取り込む(incorporate) 」とう。
配送プログラム用メール・ボックスは、1つのサーバで1人で1つだけだが、 ユーザ用メール・ボックスは、必要に応じていくつか作ることができる。
メール・リーダで電子メールを発信する時にも、SMTP という仕組みが使われることがある。
POP では、配送プログラム用メール・ボックスを読み書きする機能がある。 IMAP では、それに加えて、複数のユーザ用メール・ボックスを扱えるように なっている。
SMTPによるメールの送信・転送、POP、IMAPによるメール・ボックスのアクセス
電子メールで仕事をしていると、単にメールを出すだけではなく、受け取った
電子メールに対して返事を出すことが多い。そのため、メール・リー
ダでは、返事を出す作業を簡単に行うことができるようになっている。返事
を出すことを
リプライ
するともいう。返事を出す時には、To:
が自動的に作られるだけで
なく、Subject:
も同じもの、あるいは、にRe:
が付い
たものが自動的に付けられる。
電子メールで返事を出す時には、相手のメールの内容を引用することがある。
この時、相手が書いた部分と自分が書いた部分を区別するために、相手
が書いた部分の行の先頭には、引用のための記号を付ける習慣がある。こ
の記号には、「>
」や 「>>
」、
タブがよく使われる。
受け取ったメールを、別の人に送ることを、 転送(forward) という。 多くのメール・リーダでは、手作業で転送できるようになっている。
複数のメール・アドレスがある人は、あるアドレスに届いた「全て」のメールを、 別のメール・アドレスの所に自動的に転送できる場合がある。 については、
メールの数が増えてきたら
多くのメール・リーダは、長いアドレスや複数のアドレスを短い 別名(alias) で参照できるようになっている。 別名には、個人で付けるものの他に、システム全体で付けるものがある。
その他、授業の後半でやるファイル名、ディレクトリ名、プログラミングで必 要になる関数名、変数名についても同様。
From: Shiro Yagi <shiro@is.tsukuba.ac.jp>
To: s1012345@coins.tsukuba.ac.jp
Subject: Re: [coins-computer-literacy-a] Assignment-3, e-mail reply (2010012345)
Date: Fri, 23 Apr 2010 16:15:25 +0900
Message-Id: <201004251615.k0NEgPTw003900@azalea20.coins.tsukuba.ac.jp>
コンピュータ・リテラシTAの○○さん
こんにちは。コンピュータ・リテラシの授業を受けている白やぎです。
4月24日に出された課題の電子メールを提出します。
> この行と次の行だけを引用してください。返信には、このメールを
> 書いた日付と時刻を入れてください。
2010年4月23日 15:10です。
よろしくお願いします。
白やぎ
情報科学類の学生は、次のメールアドレスが使えるようになっている。
大学の授業に関連したメールは大学内の From: で出すこと。学外の From: で 届いたメールでは、差出人の確認ができないので、うかつに返事ができない。 (無関係の人に、成績や単位の話はできない。)
方法1: 引数にファイル名を与える方法。
$ emacs filename.txt
filename.txt
が存在しないならば、
新規作成として扱われる。
C-x C-s
で保存
C-x C-c
で終了
$ emacs
あるいは、Dock にある Emacs のアイコンをクリックして実行する。
C-x C-f
で、編集したいファイルを選ぶ。
存在しないファイルを選べば、新規作成として扱われる。
C-x C-s
で保存
C-x C-c
で終了
次の資料を参考にして, Thunderbird で電子メールを 読み書きできるように設定しなさい。
mail1.eml
は、保存した時と同じ名前のものを使う。
$ cat mail1.eml
cat コマンドの代わりに lv コマンドや emacs を使う方法もある。
$ lv mail1.eml
$ emacs mail1.eml
IMAPサーバ上の名前 | Thunderbirdの表示 |
---|---|
Sent | 送信済みトレイ |
Drafts | 下書き |
Trash | ゴミ箱 |
https://www.coins.tsukuba.ac.jp/webmail/
にログインする。
Thunderbird と同じメールが表示されることを確認しなさい。Mew の % から始 まるフォルダと Thunderbird のフォルダとの対応関係を調べなさい。
@coins.tsukuba.ac.jp
」)、パスワード(ログイン)を打ち込む。
lilac-nwd.coins.tsukuba.ac.jp
」、
ユーザ名は、ログイン名、
パスワードとしては、ログインパスワードを打ち込む。
「続ける」ボタンを押しても進まない時には、キャンセルして続ける。
lilac-nwc.coins.tsukuba.ac.jp
」と打つ。
「説明」には、「coins smtp」等とうつ。
「認証を使用」のチェックを入れる。ユーザ名とパスワードを打つ。
最後に「続ける」ボタンを押す。
@coins.tsukuba.ac.jp
」、
ユーザ名が「ログイン名 」
lilac-nwd.coins.tsukuba.ac.jp
」、
「SSL:」が「入」。
lilac-nwc.coins.tsukuba.ac.jp
」、
「SSL:」が「入」。
図? MacOSX Mail.app IMAP+SSL アカウントの設定。(クリックで拡大)
なお、coins の環境では、UCB Mail コマンドでメールを受信(受け取ったメー ルの表示)をすることはできない。
(1) TA からのメールを読みなさい。それに対して、Thunderbird の返信機能を使っ て返事を出しなさい。
TAからの返事を、From:, Date:, Subject: が分かる形で表示し、それをレポー トに含めなさい。それには、 練習問題(506) 電子メールのテキストの観察をすると良い。
レポートには、電子メールとしての形状を崩さない形で、かつ、不要な部分は 削除して読みやすい形にしなさい。過度の編集はさけること。たとえば、不要 部分の行単位の削除はよいが、内容の編集、行の結合、改行の挿入等は行って はならない。
(2) 電子メールでは、適切な Subject: を設定することが重要である。その理 由を簡単に説明しなさい。
(3) 電子メールでは、From: に英語で自分の名前を含めることが多い。その理 由を簡単に説明しなさい。
(4) The Unix Super Text の次の部分を読みなさい。
(5) The Unix Super Text の次の部分を読みなさい。
2>file
」の意味
(6) [加点] 練習問題(510 ) 、および 練習問題(511 ) を実行しなさい。(Thunderbird 等で)自分自身にメールを書き、SquirrelMail を使ってメールをそれを読み、 SquirrelMail の「返信機能」を使って、自分自身に返信を書きなさい。最後の 返信のメールを、次のヘッダが含まれる形で表示し、それをレポートに含めな さい。
(7) [加点] Emacs の中から Mew 実行し、メールを読み書きしなさい。問題 (6) と同じような操作を Mew で行い、同様の内容をレポートに含めなさい。 Thunderbird と比較して Mew の利点を書きなさい。