2006年06月27日
コンピュータリテラシ
筑波大学 電子・情報工学系
コンピュータサイエンス専攻
新城 靖
<yas@is.tsukuba.ac.jp>
このページは、次の URL にあります。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/coins/literacy-2006/2006-06-27
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/
http://www.cs.tsukuba.ac.jp/~yas/
- 次回6月30日金曜日は、試験。
教室変更がある。
3A203に集合。
- 手引き(教育用計算機システム使用の手引き)を持って来る。
- 6月30日は、筆記試験を行う。A4、1ページ(両面)持込み可。
圧縮、暗号化をしないこと。回答といっしょに提出する。
楽することの大切さ。
- 時間を節約して、他に好きなことをする時間が増える。
- (生きている間に)より多くのことができる。
授業休むのは、長期的には楽したことにはなっていない。
(授業休んでアルバイトに行ったら赤字になる。)
情報学類として、楽するとは、人間の仕事をなるべくコンピュータにやらせること。
- 文書の番号付け。LaTeX、Microsoft Word。
- エイリアス、シンボリック・リンクによるタイプ量を減らす。
- 同じことは2度書かない。
同じことを1度だけ書くと、修正した時に1度の修正でよい。
HTML スタイル・シート、LaTeX スタイルファイル、Microsoft Word スタイル。
宿題と試験の考え方
- (最低限の努力で)よい成績をとる。受験勉強のし過ぎ。
- 技を身につけたことを確認する。
2種類の知識
(
http://www.human.tsukuba.ac.jp/~sikoma/chuukousei.html
)
後者が大事。それには、前者をある程度溜め込む必要がある。
名前を書いてもよい。書かなくてもよい。成績を付けた後で、読む。
- Wiki
にある宿題が OK になっているかを見ること。採点されていないものは、TA に
言いなさい。
- レポートの「一覧表示」には、紙で提出されたものも表示されている。
遠隔の Windows コンピュータの画面を、手元のコンピュータに表示して操作する。
キーボードやマウスの動作が遠隔のコンピュータに伝えられる。
Unix の文字端末による遠隔ログインと違い、画像表示やマウスによる操作も行える。
情報学類生が利用可能なサービス。
自宅のコンピュータ(Windows XP)を、大学から操作することもできる。
手引き9.14.4項参照。
なお、X Window (X11) では、コンピュータ単位ではなく、プログラム単位で遠
隔で動作しているプログラムの画面を手元のコンピュータに表示できる。SSH
のトンネリングと組み合わせて使うのがよい(ssh -X オプション)。
インターネットに接続されたパソコン間で文字による対話を行うアプリケーショ
ン。
電子メールとの違い
- インスタント・メッセンジャの場合、通信相手がオンラインでないと使え
ない。
- 所在の確認につかえる。
- ファイルをコピーする機能を持つのが一般的。
- 文字に加えて音声や動画像による対話もできるように進化している。
さまざまな種類がある。
- iChatAV
- Skype
- MSN Messenger
- Yahoo!Messenger
- AOL Instant Messengr (AIM)
- Jabber
- Google Talk
- (IRC (Internet Relay Chat), talk, phone, write)
相互接続可能かどうかは、次のような要素で決まる。
- 通信プロトコル
- 通信相手を識別する方法(アドレシングの方法)
- 途中のルータやファイア・ウォールによるアクセス制御、アドレス変換の有無
詳しくは、次のページ参照。
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/~yas/ipe/inet-2005/2006-02-28/
インスタント・メッセンジャ、VoIP、IPテレビ電話の仕組み
MacOSX 付属のインスタント・メッセンジャ。
動画像による対話も可能。
AIM(AOL Instant Messenger), Jabber と相互接続できる。
「Bonjour メッセージング」を使うと、LAN 内のユーザと接続できる。
防火壁とは、外部のネットワークと内部のネットワークの間に設置し、内部の
ネットワークのセキュリティを高めるための仕組み。
インターネットの仕組みの基本:どのコンピュータとコンピュータも通信できる。
防火壁では、そのような本来の仕組みに制限を設け、特定のコンピュータとし
か通信できないようにしたり、特定のサービスしかつかえないようにする。
攻撃の対象となるコンピュータの数を減らし、集中的に侵入対策を施すことで、
セキュリティを高める。
防火壁構築は、様々な技術の集合:
- パケット・フィルタリング
- IPアドレスやポート番号を使ってTCP/IP の特定のサービスを特定の方向
について遮断する。アクセス制御の一種。
例:ファイアウォールの内側から外側への電子メールの送信は許すが、逆方向
は許さない。
- プライベート・アドレスの利用
- 壁の内側で、プライベート・アドレスと呼ばれる、インターネット上で
は決して利用されないことが保証されているIPアドレスを用いる。プライベー
ト・アドレスを使うと、インターネットの外から直接攻撃されることはない。
壁の外側をアクセスする時に、「壁の上」で、外でも通じるIPアドレスに付け
変える。
- 電子メールのフィルタリング
- 電子メールの内容をパタンマッチ等で検索し、悪意があるプログラムを
発見したら削除する。
壁の上:壁の内側のコンピュータも壁の外側ののコンピュータも、両方にアクセ
スできる場所。
cookieは、コンピュータ・サイエンス(情報学類)の専門用語。
協調して動作しているプログラムの間で、ある一連の作業を識別するための数
を意味する。
WWW(World Wide Web)では、1回のデータ転送ごとに通信路が切断される
ので、通常はWWWのブラウザ(クライアント)とWWWサーバの間では、途
中経過を保持することができない。
途中経過を保存したい時:
- パスワードを打って利用者を確認した
- 買い物かごの中身
- IPアドレスが毎回違うような場合、前回アクセスしてきた人を確認する
WWWで途中経過を保存するためには、cookie が使われる。
- WWWサーバが、最初にアクセスした時に利用者ごとにクッキーを生成
し、ブラウザに返す。
- ブラウザは、返されたクッキーをファイルに保存しておく。
- ブラウザは、次に同じサーバに要求を送る時に、ファイルに保存してあ
るクッキーを読み出して要求とともにサーバに送る。
- 要求を受け取ったサーバは、要求に含まれているクッキーから、そのブ
ラウザを使っていた人が前回どのページを訪れたかを知ることができる。
サーバは、その情報を利用して、適切なページ(たとえば前回最後に訪れたペー
ジ)を表示させるようにすることができる。
現在の cookie の実現では、利用者のプライバシーを犯す危険性が高いという
問題が指摘されている。
普通のWWWサーバでは、要求を送ってきたコンピュータのIPアドレスを記
録しているので、コンピュータ単位でのアクセス状況を記録することはできる
が、個人を特定することはできない。
クッキーを利用することにより、コンピュータではなくどの個人がアクセスし
てきたかを記録することができる。
クッキーから電子メールのアドレスや氏名まで調べることはできない。
しかし、インターネットをサーフしている間にどこかでそれを打ち込んだが最
後、クッキーと電子メール・アドレスや氏名との対応が記録されてしまう危険
性がある。
参考
RFC2965 HTTP State Management Mechanism
Netscape社によるWWWにおけるクッキー実現の案
http://wp.netscape.com/newsref/std/cookie_spec.html
Virtual Private Network。インターネットのような(危険性な)公(おおやけ、
public)な回線を使い、専用線(private)のような(安全な)ネットワークを実
現する。暗号化の技術を用いている。
利用方法は、手引き11.2節参照。
手引き12.1節の方法は、違っている部分がある。申請書が必要。ユーザ名
とパスワードによる認証は、現在、使えない。
https://www.coins.tsukuba.ac.jp/ce/ その他のサービス
参照。
Firefox やその他のブラウザで cookie を表示しなさい。
cookieの保存や送信を有効にしたり無効にしたりしなさい。
cookieを(選択的に)削除しなさい。
Firefox での cookie 操作画面の出し方
- 「Firefox」 メニューから「環境設定」を選ぶ。
- 「プライバシー」ボタンを押す
- 「cookie」タブを選ぶ
「Cookieを表示」ボタンを押すと、保存されているCookie を表示できる。
「Cookieを今すぐ消去」ボタンを押すと、すべての
cookie を消去する(最初に Firefox を実行した状態に戻る)。
iChatAV.app (/Applications/iChat.app) を使って、隣の人と文字による対話、
または、ビデオによる対話を行いなさい。アドレス付けとしては、LAN 内では
「Bonjour メッセージング」を使うとよい。(.Mac アカウント(60日間だけ無
料)、AIMアカウント(無料)、Jabber などは設定しなくても、この実習は可能で
ある。設定してもよい。)
学外と接続するには、AIM か .Mac のアカウントが必要になる。
Last updated: 2006/06/27 03:14:23
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>