mnewsでネットワーク・ニュースの記事を読む

共通科目情報処理(実習)、国際総合学類対象、1996年12月13日

                                       電子・情報工学系
                                       新城 靖
                                       <yas@is.tsukuba.ac.jp>

このページは、次の URL にあります。
http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/ipe/kokusai2-enshu-1996/1996-12-13 /mnews-netnews-read.html
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/ipe
http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/index-j.html
http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/~yshinjo
http://www.ipe.tsukuba.ac.jp

■ネットワーク・ニュース

今日は、mnews (エム・ニュース)というコマンドを使ってネッ トワーク・ニュースの記事を読む方法を学びます。mnews では、ネットワーク・ ニュースに記事を投稿することもできます。また、電子メールを読んだり書い たりすることもできます。

ネットワーク・ニュース(network news)は、インターネットで 「1対多の通信」を実現するための仕掛けの1つです。ネットワーク・ニュー スでは、ある書き手が発したメッセージを、大勢の人が読むことになります。 ネットワーク・ニュースでは、メッセージの事を新聞にたとえて 「記事(article)」と呼んでいます。

ネットワーク・ニュースは、「1対多の通信」という見方からは、新聞やテレ ビと似ています。ただし、新聞やテレビと比較して、ネットワーク・ニュース の特徴は、参加者が誰でもメッセージを発信することができることにあります。 新聞やテレビの場合、編集と言う作業が必ず入ります。取材の段階で得られた 情報が、編集作業で落とされて伝えられないことがあります。これに対してネッ トワーク・ニュースでは、誰でも自由に情報を発信することができます。

これに対して、電子メールは、普通、「1対1の通信」に使います。電子メー ルでも、「メーリング・リスト」という仕掛けを使えば、「1対多の通信」を 行うことができます。

◆記事とニュース・グループ

ネットワーク・ニュースに流れるメッセージは、記事と呼ばれます。記事は、 ニュース・グループ(news group)と呼ばれる箱に分類さ れて蓄えられています。ニュース・グループは、次のように、ピリオドで区切 られたアルファベットで名前が付けられています。

tsukuba.events
筑波で開かれる様々なイベントの記事を集めるためのニュース・グループ。
tsukuba.trade
筑波で、不用品を交換することに関係した記事を集めるためのニュース・グループ。
ipe.question.kokusa-2
筑波大学の情報処理に関する授業(ipe, Information Processing Education) で、質問受け付けのためで、かつ、国際総合学類2班のための記事を集めるめ のニュース・グループ。
このように、ネットワーク・ニュースの名前は、英語で、かつ長いものは省略 形で付けられています。最初は、取っ付きにくいかもしれませんが、毎日読む ようになるとむしろ便利であることに気が付くでしょう。

ネットワーク・ニュースにはは、次のような基本的な操作があります。

このページは、 mnews を使って、ネットワーク・ニュース の記事を読む方法を説明しています。

■1.1 ニュース・グループの木

mnewsでは、ネットワーク・ニュースのニュース・グループを、木構造という 形式を使って分類して表示します。木構造(tree structure) というのは、計算機科学(コンピュータ・サイエンス)の専門用語 です。

木構造は、計算機の外にも至る所に現われます。身の回りの例としては、住所、 会社組織、生物の分類、図書の分類が木構造になっています。木構造は、 階層構造(hierarchical structure)ともいいます。

木構造の例を、大学の組織を使って説明します。図1-1を見て下さい。木構造 は、節と枝からできています。特別な節として、根(root)が1個 あります。木構造の特徴は、ある節から別の節までの道が1本しかないことで す。これは、本物の木の枝が決して交わらないのと似ています。(道が2本以 上あるようなものは、グラフといいます。) つながっている節と節で、根に 近いものを、そうでないものをといいます。

図1-1

図1-1 大学組織に見られる木構造

図1-1では、筑波大学と書いてある所が木の根にあたります。根からは、何本 かの学群の枝が出ています。このように、計算機科学では、木の根を上に書く 習慣があります。第二学群の節には、日本語日本文化学類、生物学類などの 子の節があります。第二学群の親は、筑波大学です。

たとえば「国際総合学類」の場合、次のように書きます。

筑波大学第三学群国際総合学類

mnewsでは、ネットワーク・ニュースのニュース・グループも、これと同じよ うな形に見えます。これを次のように「.」で区切って並べていきます。

筑波大学.第三学群.国際総合学類

住所の表記も、木構造です。

日本国.茨城県.つくば市.天王台

図1-1に示されている木構造は、また図1-2のように、領域を分割するような見 方もできます。ここで、木構造の場合には、領域の境界線が交わることがあり ません。Windows の画面や、Macintosh の Finder の表示は、この領域の分 割に似ています。

図1-2 大学組織に見られる木構造(領域的な見方) 図1-2

「授業支援システム」で、telnet を実行した直後に最初に表示される「学生 支援メニュー」もまた木構造の例になっています。 Macintoshのフォルダも、木構造の例です。 UNIX や MS-DOS では、ファイルを階層化ディレクトリの中に保 存します。階層化ディレクトリもまた木構造の例です。

■1.2 mnews の基本

この節では、mnewsというプログラムを使ってネットワーク・ニュースを読む 方法について説明します。ネットワーク・ニュースを読むプログラムには、 mnewsの他に、vin(びん), GNUS(にゅーず), rn(あーる・えぬ)、tin という プログラムもよく使われています。

mnews では、「なにかを選ぶ」という操作と「選 んだものに入り込む(読む)」という操作を繰り返して、読みたい 記事までたどり着きます。そのあとは、1つの記事の中を上から下に読んで行 きます。「選ぶ」という操作は、さらに、「ニュー ス・グループを選ぶ」操作と「記事を選ぶ」操作 に分かれます。

mnews には、いくつかの「モード(mode)」(状態)があります。モードという のは、とりあえずは、「画面表示の形態」と思ってもいいでしょう。実際には、 モードとは、1つのコンピュータのプログラムでも、いくつかの局面に応じて 異なる動きをする時に、その1つひとつの局面をモードといいます。プログラ ムがどのモードにあるのかで、プログラムを操作する方法が違ってくることが ありますので、プログラムのモードの変化には、注意する必要があります。

mnews でネットワーク・ニュースを読むには、次の3つのモードを使います。

(1) ニュースカテゴリ/グループ選択モード
ニュース・グループやその階層を選ぶ
(2) ニュース記事選択モード
1個1個の記事を選ぶ
(3) ページャーモード
1個1個の記事を読む
その他に、電子メールを読み書きをするためのモードもあります。

モードが変わると、操作方法が違ってきます。ただし、(1)と(2) は、操作方 法がよく似ています。

◆mnewsコマンドの実行

では、実際に mnews を動かしながら使い方を学んでいきましょう。 mnews は、正面のパソコン(FMR,Mac)ではなく、裏で動いているコンピュータ (Sun)で動いています。mnews を動かすには、Sun に接続して、 コマンドモード で、次のように 打ちます。(最初の%は、コンピュータからの入力促し記号な ので、人間は残りの「mnews [←]」と打ちます。)

----------------------------------------------------------------------
% mnews  [←]
----------------------------------------------------------------------
すると、次のような mnews の画面に切り替わります。

◆ 最初の画面

mnews を実行すると、次のような画面が表示されます。

図1-3

図1-3 mnews の実行直後の画面

3行目の「ニュースカテゴリ/ニュースグループ名」という表示が、「ニュー スカテゴリ/グループ選択モード」であることを示しています。

この画面は、図1-4の木構造の、一番上に書かれている根の部分(mnews)を見 ていることに相当します。

図1-4

図1-4 ニュース・グループの木構造(tsukuba.eventsの位置)

根の下には、次のような名前の節があります。

campus
筑波大学のニュースグループ(日本語)
comp
コンピュータ関係のニュースグループ(英語)
fj
From Japan 日本発世界行きのニュースグループ(日本語・英語)
general
学術情報処理センター関係(?)
ipe
共通科目の情報処理関係
local
このニュース・サーバだけのグループ
tsukuba
筑波関係のニュースグループ(日本語)
MAIL
電子メール(ネットワーク・ニュースではない)
RMAIL
電子メール(ネットワーク・ニュースではない)
ここにはありませんが、世界中には次のようなグループもあります。
control
ネットワーク・ニュースの制御用(読まなくてよい)
gnu
GNU(ぐにゅー)関係のニュースグループ(英語)
jp
日本国内のインターネット管理に関するニュースグループ(日本語)
junk
ネットワーク・ニュースの制御用(読まなくてよい)
news
ネットワーク・ニュース自身に関するニュースグループ(英語)
sci
科学(science)関係のニュースグループ(英語)
soc
社会(social)関係のニュースグループ(英語)
tnn
IIJの提供する主に国内向けのニュースグループ(日本語)

画面の3行目に「未読」と書かれている部分があります。この下の数字が、ま だ読んでいない記事の数の概算です。全部で 数十万以上の未読の記事がある ことがわかります。(数字は毎日変わります。場所によっては、実際の数字は、 実際に蓄えられている記事の数ではなく、過去に届いて既に期限切れで消えて しまったものを含んでいることがあります。)

◆ 短い使い方の行

1番下の行に注目して下さい。簡単な使い方が出ています。

----------------------------------------------------------------------
?:ヘルプ j,^N:次行 k,^P:前行 SPACE,i:選択 l:表示モード切替 q:復帰 Q:終了 
----------------------------------------------------------------------

これは、次のような意味です。

ここで、^N というのは、コントロール・キー(control, ctrl, キー ボードの左下)を押しながら、nキーを押すという意味です。ng (emacs) のカーソル移動と同じです。カーソル移動には、j,^N,k,^P の他に、矢印キー(↑、↓)も使えます。

実は、mnews は、右手をキーボードのホーム・ポジションに置い た状態で楽にネットワーク・ニュースの記事が読めるように作られています。 左手は、最後に終了のQを押すだけです。右手も次の5つキーだけしか使いま せん。

----------------------------------------------------------------------
j	右手人さし指	カーソルを下へ
k	右手中指	カーソルを上へ
i	右手中指	入り込む(in)
o	右手薬指	抜ける(out)
SPACE	右手親指	入り込む(in)、または、次のページへ
----------------------------------------------------------------------

まずは、右手の人さし指をj, 中指をk に合わせて、 j,k でカーソルが動くことを確かめて下さい。

◆ tsukuba節

図1-3の画面で、j,k,^P,^N 等でカーソルを「tsukuba」の左ま で移動させてください。そこで、iキー(inの意味), またはSPACE キーを押すと、tsukubaのメニューを選択したことになります。すると、次の ような画面になります。

図1-5 tsukubaを選んだ直後の画面

図1-5 tsukubaを選んだ直後の画面

iキー(in), SPACEキーに対して、oキー (out)を押すと、前の状態にもどります。(oキーの代わりに、 qキーでも前の状態にもどります。)

◆ ニュース記事選択モード

図1-3の画面で、j,k,^P,^N 等でカーソルを「tsukuba.chat」の 左まで移動させてください。そこで、iキー(inの意味), またはSPACEキーを押 して選んで下さい。すると、次のような画面になります。

図1-6 tsukuba.events にある記事の一覧

図1-6 tsukuba.events にある記事の一覧

3行目の「サブジェクト名」という表示が「ニュース記事選択モー ド」であることを示しています。このモードでの mnews の操作方法は、前の 「ニュースカテゴリ/グループ選択モード」によく似ています。違いは、ニュー ス・グループの名前ではなく、記事の番号、記事が投稿された日付(Date:)、 記事の行数、差出人(From:)、題名(Subject:)が表示されているところです。

「ニュース記事選択モード」では、操作方法は、前の「ニュースカテゴリ/グ ループ選択モード」とよくにています。ここでもやはり、読みたい記事に j,k,^N,^P などでカーソルを合わせて iキーか SPACEキーを押して下さい。その記事が読めます。一番下の行に簡 単な使い方が表示されています。

◆ ページャー・モード

たとえば、392番の記事にカーソルを合わせて i を押したとしま す。すると、次のような画面になります。これは、「ページャー・モー ド」の画面です。これは、1つ1つの記事を、1ページ1ページめく るように読むための画面です。

図1-7 ページャーモード(記事を表示する画面)

図1-7 ページャーモード(記事を表示する画面)

残念ながら、ここでは最下位行に簡単な説明が表示されません。ページャ・モー ドで最もよく使うキーは、SPACEキーです。SPACEキーを押 すと、次のページに進みます。1ページ戻るには、bキーを押します。 もとの「ニュース記事選択モード」にもどるには、oキーを押します。 ページャー・モードでよく使うキーを簡単にまとめておきます。

----------------------------------------------------------------------
?:	ヘルプ
j,^N:	次の行を表示する
k,^P:	前の行にもどる
SPACE:	次のページを表示する。
	最後のページの場合は、次の未読記事を表示する。
b:	前のページを表示する。
o,q:	ニュース記事選択モードにもどる。
n:	次の未読記事を表示する。
p:	前の未読記事を表示する。
----------------------------------------------------------------------

◆ 記事のヘッダと本体

図1-7に表示されているものが、ネットワーク・ニュースの1つの記事です。 ここで、ネットワーク・ニュースの記事の構造を観察してみましょう。記事は、 大きくヘッダ(header,頭)本体 (body)に分かれます。ヘッダは、記事の先頭から空行まで、本体 は、空行以降の部分です。本体には、普通の文章が書かれています。ヘッダの 部分をもう少し詳しく観察してみます。

○ ヘッダ

----------------------------------------------------------------------
From: tyas@first.tsukuba.ac.jp (Takatosi Yasuhara)
Newsgroups: tsukuba.events
Subject: AmericanFootball bus tour.
Date: Thu, 26 Sep 1996 15:43:31 JST
Organization: First Cluster of Colleges , University of Tsukuba
----------------------------------------------------------------------

Newsgroups: には、その記事が属するニュース・グループが書か れています。

次のFrom: には、その記事を書いた人(差出人)の電子メール のアドレスが来ます。

Subject: (サブジェクト)とは、記事の題名(題目、表題)で す。ネットワーク・ニュースの記事は、膨大な数に上ります。 とても全ての記事を読むことはできません。そこでニュース・グループや 題名を見て、その記事を読むか読まないかを決めることになります。 「ニュース記事選択モード」では、題名が表示されていますので、 それを見て興味がある記事だけを読むようにすればいいでしょう。

Date: は、記事が書かれた日付を表わしています。この例では、 日本時間(JST)で、1995年9月(Sep, Septemberの短縮形)26日火曜日(Tue, Tuesday)に書かれたことがわかります。インターネットでは、このように世 界的に通用する方法で日付を表します。(実際には、記事には、JSTではなく GMT(Greenwich (Mean) Time, グリニッジ標準時)で記録されています。mnews が、GMTに9時間を加えて日本時間に変換しています。)

Organization: には、差出人の所属が来ます。

○ 本体

記事の本体は、普通のテキストです。記事の本体をワープロなどで打ち込む人 もいます。ワープロの文書と違う所は、1行の長さがだいたい30文字〜35 文字になるように、折り返していることです。それは、後で説明する「引用」 という機能を使うときには、行をあらかじめ行が折り返されていた方が便利だ からです。

画面に表示されている部分を読み終えたら、次のページに進みます。このよう に、記事を1ページ1ページ見ていくことから、「ページャーモード」という 名前が付いています。1ページ進めるには、SPACEキーを押します。 1ページ戻りたい時には、b キーを押します。

図1-7の記事は、(先頭から)全体の70%の部分を表示してます。このことは、一 番下の行に「70%」と表示されていることからわ かります。

○ 署名

記事の末尾には、図1-8のように、署名signature, 片仮名で書くならシグニチャ)が現われることが 多いのです。署名が現われたら、記事の終わりが近いなという雰囲気がありま す。また、画面の一番下に「(END)」と表示され ていることからも、この記事の最後のページであることがわかります。

図1-8 最終ページと署名

図1-8 最終ページと署名

画面の一番下に「70%」が出ている状態でSPACEキーを 押すと、次のまだ読んでいない記事を表示します。もし、そのニュース・グルー プにもう未読の記事がない時には、次のニュース・グループの未読記事を表示 します。

◆引用

記事の中には、> や >>, | で 始まっている行をたくさん含むものがあります。この部分は、この記事を書い た人ではなく、別の人が書いた部分です。このように、他の人が書いた記事を、 自分の記事に取り込むことを、引用といいます。ネットワーク・ ニュースの記事は、このように誰かが言ったことを引用し、それに対する返事 を書く、対話をしているかのごとく書かれる事が多いです。実際には、この記 事を書いた人引用されている記事を書いた人は、対話をしているわけではあり ません。

引用する時には、どの記事から引用したのかを示すための印を含めます。 この印は、世界中で後にも先にもこの記事にしか付いていない印です。 このような印を、メッセージ識別子(メッセージID、Message-ID, Message identifier)といいます。IDというのは、身分証などの意味のIDカードな どのIDと同じ意味です。記事の番号(ニュース記事選択モードで表示されて いる)は、世界中で同じになることは、まずありません。しかし、このメッセー ジ識別子は、1つの記事にごと重複がないように付けられています。

◆ 読んだ記事のマーク

一度読んだ記事を、「ページャ・モード」から「ニュース記事選択モード」に もどって見ると、次の図のように、記事の行の先頭に「"R"」が 付いています。これは、これは、この記事をもう読んだということを示すマー クです。空白になっている記事は、まだ読んでいない記事です。

図1-9 既読マークとスレッド

図1-9 既読マークとスレッド

◆ スレッド

図1-9のように、ページャ・モードの画面をよく見ると、左側の「番号」の順 番の通りに記事が並んでない所があります。このことについては、 記事が多いニュース・グループを読む で詳しく説明します。

◆ 次のニュース・グループの記事への移動

そのグループの記事を最後まで読むと、次の記事を表示する変わりに、次のよ うに聞いています。

そのグループの最後の記事の最後,次の未読(1)グループ(tsukuba.followup)を参照しますか? [Y/N/Q(uit)]:

図1-10 そのグループの最後の記事の最後

ここで、yキー(小文字でも大文字でもよい)を押すと、次の未読の 記事があるニュース・グループに「飛んで」いきます。つまり、 tsukuba.followupというニュース・グループの記事を読むための、「ニュース 記事選択モード」の画面になります。木構造で考えると、あるニュース・グルー プの節から隣のニュース・グループの節に移動します。

nキー(小文字でも大文字でもよい)を押すと、現在読んでいる記 事の属するニュース・グループ(tsukuba.events)の「ニュース記事選択 モード」にもどります。

qキー(小文字でも大文字でもよい)を押すと、前の(この例では、 tsukuba)ニュースカテゴリ/グループ選択モードになります。木構造で考え ると、親の節に移動したことになります。

◆ iとo

今までは、カーソルを合わせては、i を打ち、入って(in)きま した。一度 iで入った所は、o(out) を打つと抜けることができま す。一番最初の画面(図1-4)と同じようになるまで、oを何度か打って下さい。 最終的には、2行目が次のように「ニュースカテゴリ:」が空になります。

----------------------------------------------------------------------
ニュースカテゴリ:
----------------------------------------------------------------------

次に、カーソル移動(j,k)と i を使って、 ipe.question.kokusa-2 というニュース・グループを読んでください。これは、この講義のためのニュー ス・グループです。

◆ 記事が多いニュース・グループを読む

1つのニュース・グループに、非常にたくさんの記事が投稿されていることが あります。その時、mnews は、題名ごとに記事を並べ替えて表示してくれます。 並べ替えることをソート(sort)するといいます。たとえば、tsukuba.living というニュース・グループを選んでみて下さい。根からtsukuba節に進み、そ こでtsukuba.livingを選びます。すると、mnews は、次のような画面を表示して、 並べ替える記事の数を聞いてきます。

図1-11 並べ替える記事の数を問う画面,ソートする記事数を入力して下さい:100

図1-11 並べ替える記事の数を問う画面

このように、mnewsが並べ替える記事の数を聞いてきた時には、単にリターン・ キーを押して下さい。そこに現われている数(100)だけ、記事を題名ごと並 べ替えます。次の図は、並べ替えられた記事の例です。

図1-12 記事の並べ替えと記事の糸

図1-12 記事の並べ替えと記事の糸

このように、左側の「番号」の順番ではなく、「サブジェクト名」の順番に並 べ替えられていることがわかります。同じ「サブジェクト名」では、ほぼ日付 の順番になっていることがわかります。このように、一連の同じ題名の記事の 流れをスレッド(thread,織り糸)といいます。(厳密には、 日付の順番ではなく、 記事の参照をもとにした因果関係の順序をもとに並替えをします。 )

スレッドの先頭の記事の Subject: には、「Re:」が付いてい ません。スレッドの2番目以降の記事には、「Re:」がついて います。mnews は、「Re:」がついている記事を、画面場では 「|」と表示します。

ネットワーク・ニュースの記事や電子メールでよく見かける 「Re:」は、英語の手紙によく使われる単語で、 「…に関して」という意味です。もともとは、ラテン語のようです。英和辞典 にも出ていますので、一度引いて見てください。(response とか reply とい う意味と思っている人も多いようです。)

◆ 最後の記事に飛ぶ

多くの記事があるニュース・グループの記事を読んでいると、最新のものだけ を見たいことがあります。その時には、> と打ちます。 こうすると、最後の記事に移動することができます。最初の記事に移動するに は、<です。

◆ 検索

あるグループの中で記事を検索したい時には、/キーと\キー を使うこともできます。/キーを打つと、検索したい言葉を問い合わ せてきますので、それを打ち込み、最後に [←] を打ちます。すると、上 から下の方向へ検索が行われます。\キーでは、下から上の方向で検 索が行われます。

検索機能は、いろいろなモードで使えます。ただし、検索で見つかるのは、画 面に表示される可能性があるものだけです。たとえばニュース、記事選択モー ドでは、From: や Subject: の一部で検索することができますが、本体の部分 は検索されません。

■1.3mnews のキー操作のまとめ

ここでは、簡単にネットワーク・ニュースを読むために必要な mnews の使い 方をまとめておきます。詳しい使い方については、マニュアルや「?」キーで 表示されるものを見てください。

◆ 常に使えるキー

ここで、mnews のキー操作についてまとめておきます。まず、どこでも使える 大事なキーとして、次のキーがあります。

---------------------------------
キー		動き		|
---------------------------------
q		抜ける		|
?		ヘルプの表示	|
---------------------------------
困った時には、q を何度か打って、mnews を終了するか、? を打って、使い方 の説明を読むといいでしょう。

◆ なにかを選ぶ時に使えるキー

「ニュースカテゴリ/グループ選択モード」や「ニュース記事選択モード」で は、次のようなキーが使えます。

----------------------------------------------------------------------
キー		動き		|	キー		動き
----------------------------------------------------------------------
Q		終了		|	SPACE,i		入る(参照)
?		ヘルプ		|	o,q		抜ける(復帰)
j,^N, ↓	次の行へ移動	|	k,^P, ↑	前の行へ移動
----------------------------------------------------------------------

これらのモードでは、一番下の行に簡単な使い方が表示されています。

◆ 記事を読んでいる時に使えるキー

このように、記事が表示されている時には、次のようなキーが使えます。残念 ながら、ここでは簡単な説明が表示されません。(これは、more コマンド、 less コマンドとよくにています。)

----------------------------------------------------------------------
キー		動き		|	キー		動き
----------------------------------------------------------------------
SPACE		1ページ進める	|	b		1ページ戻す
j		1行進める	|	k		1行戻す
q		ページャの終了	|	?		ヘルプの表示
n		次の未読記事へ	|	p		前の記事へ
----------------------------------------------------------------------

■1.4 お助け下さい

◆ 1.4.1 ^Z

なれるまで ^Z (コントロール・z、コントロール・キーを押しな がらzを押す)を押してはいけません。^Z は、ジョブ制御という 非常に高度な機能に関係しています。ジョブ制御を使えば、1つの端末で複数 のプログラムを切り替えながら動かすことができます。もしまちがって ^Z を押してしまったら、次のように打って下さい。

----------------------------------------------------------------------
% fg [←]
----------------------------------------------------------------------
なお、^Z は、mnews だけでなく、ng(emacs) でも同じように働きま す。ng(emacs) でも、^Z を押してしまったら、fg で元に もどして下さい。

◆ 1.4.2 題名(subject)を入力して下さい:

突然次のように「題名(subject)を入力して下さい:」と迫られることがあります。

図1-12 予期せぬ問い合わせ

図1-12 予期せぬ問い合わせ

これは、間違ってaキーを打ってしまって、mnewsは、あなたが記 事を投稿しようとしていると思ったのです。記事の投稿を投稿したくない時に は、リターンを打って下さい。もとの「ニュース記事選択モード」に戻りま す。

場合によっては、「Subject」ではなくて、「ニュースグループを入力して下 さい:」と聞いてくるかもしれません。この時も、たんにリターンを打って下 さい。

このように、mnews では、記事を投稿したり電子メールを出す時に必要な事項 を問い合わせてきます。もし、本当にそうしたいならば、その問い合わせに答 えます。もし、本当はそうしたくなくて、単にキーを押し間違えた時には、 mnews からの問い合わせに答える欄に出ている文字を全部消して、[←] を押します。そこに何も表示されていない時には、単に [←] を打ちます。

◆ 1.4.3 突然ng(emacs,エディタ)が立ち上がった

mnews を操作していると、なにかのキーを押した拍子に、ng(emacs, エディタ) の画面に変ってしまうことがあります。

図1-14 予期せぬngの実行

図1-14 予期せぬngの実行

このような画面は、人間が間違って r,R,f,F などを押したために、mnews が 人間に記事や電子メール本体の部分を書いてもらうために、エディタを自動的 に実行したことを意味しています。もちろん、本当に記事を投稿したり電子メー ルを書きい時には、そうします。そうしたくない時には、ファイルを保存しな いで C-x C-c で ng を終了させて下さい。C-x C-c とは、 ^X^C (コントロール-x コントロール-c)の意味です。これは、コン トロール・キーを押しながらxキーを押し、続いてコントロール・キー を押しながらcキーを押す。コントロール・キーは、キーボードの左 下にあります。キーの上に、control あるいは、ctrlと印刷されています。

ng (emacs) が次のように尋ねてきたら、nを押してください。

図1-15 ng (emacs) の緊急終了,Save file /home1/s991001/.message? (y or n)

図1-15 ng (emacs) の緊急終了

続いて ng(emacs) が次のように尋ねてきたら、yesを押してください。

図1-15 ng (emacs) の緊急終了(2),Some modified buffers exist,really exit? (yes or no)

図1-16 ng (emacs) の緊急終了(2)

すると、mnews は一瞬だけ次のように答えて、もとの状態に戻してくれるはず です。

図1-17 「編集されていませんでした」という mnews の応答

図1-17 「編集されていませんでした」という mnews の応答

もし、mnews が次のように聞いてきた時には、ここでは n と答え ておいて下さい。(本当に投稿したい場合には、もちろん y です。)

118-mnews-post-ok-query.gif

図1-18 「記事を投稿してよろしいですか? [Y/N/E(dit)/M(ime)]: 」という mnews の応答

図1-18 「記事を投稿してよろしいですか? [Y/N/E(dit)/M(ime)]: 」という mnews の応答

これで、もとに戻ります。

◆ 1.4.4 ng(emacs) の Delete キーで文字が消えない

Macintosh の場合、Telnet の Session メニューを開いて下さい。一番上のメ ニューバーにある「Session」にカーソルを合わせて、ボタンを押し、そのま まドラッグして、Delete を選びます。

◆ 1.4.5 コマンドモードで Delete キーで文字が消えない

Deleteキーの代りに、^H (Control キーを押しながら H )を試してみてくださ い。

■1.5 ニュース・グループの紹介

◆ 1.5.1 トップ・ドメイン

ipe のマシンから読めないものもあります。 学内
campus
筑波大学のニュースグループ(主に日本語)
ipe
共通科目の情報処理関係
local
このニュース・サーバだけのグループ
general
学術情報処理センター関係(?)
地域
tsukuba
筑波地域のためのニュースグループ(主に日本語)
地域
kyushu
九州地域のためのニュースグループ(主に日本語)
nara
奈良周辺地域のためのニュースグループ(主に日本語)
okinawa
沖縄関係のニュースグループ(主に日本語)
日本発世界行き
fj
From Japan 日本発世界行きのニュースグループ(主に日本語)
tnn
IIJの提供する主に国内向けのニュースグループ(主に日本語)
世界区
comp
コンピュータ関係のニュースグループ(英語)
news
net-newsのためのニュースグループ(英語)
sci
科学(science)関係のニュースグループ(英語)
soc
社会(social)関係のニュースグループ(英語)

◆ 1.5.2 特殊な名前

ニュース・グループの名前には、普通の英単語が使われることもありますが、 短縮形やニュース・グループ名に使われて特殊な意味を持つものがあります。 そのような名前について紹介しておきます。

comp
computerの省略形。
sys
systemのの省略形。コンピュータの主にハードウェア。機種依存の話。
rec
recreationの省略形。レクレーション。お楽しみ。
sci
scienceの省略形。科学。自然科学が多い。
soc
socialの省略形。社会科学。
lang
languageの省略形。言語。コンピュータのプログラミング言語を意味することが多い。
engr
engineeringの省略形。工学。
mail-lists
mailing listsの省略形。メーリング・リストとネットワーク・ニュースが相互乗り入れしていることを意味する。
misc
その他の意味。たとえば、fj.sys には、fj.sys.mac, fj.sys.pc98 など あらかじめそれぞれの機種専用のニュース・グループが作られている。それ以 外の機種に関しては、fj.sys.miscを使う。
binaries
2進数の意味で、コンピュータにしか意味が解釈できないデータ。 実行可能なプログラムや画像イメージの意味。
general
全ての人が読むことになっているニュース・グループ。 新聞の1面に相当する。
annouce
重要な情報が流れる。generalとほぼ同じ意味。

◆ 1.5.3 ニュース・グループtsukuba.*

tsukuba.chat
雑談。おしゃべり。
tsukuba.events
イベント情報。
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Last updated: 1996/12/13 01:43:41
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>