5.7 MS WordによるWWWページの作り方

情報処理実習用手引き(システム解説編)
第5章 インターネットの利用
5.7 MS WordによるWWWページの作り方
                                       電子・情報工学系
                                       新城 靖
                                       <yas@is.tsukuba.ac.jp>

このページは、次の URL にあります。
http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/ipe/tebiki-1997/5-inet/7-msword.html
http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/~yshinjo/tebiki-1997/5-inet/7-msword.html
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/~yshinjo/
http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/ipe/
http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/index-j.html
http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/

■インターネット・アシスタント

MS Word (Microsoft Word)は、ワードプロセッサである。これ に、インターネット・アシスタント(Internet Assistant)と 呼ばれている機能を追加することで、WWWブラウザとしても、WWWページ作成プ ログラムとしても使うことができるようになる。この節では、MS Word を使っ て WWW ページを作る方法について説明する。MS Word のワードプロセッサと しての機能は、この手引きではなく、もう1冊の手引き、情報処理実習の手引 き(パソコン編)にある。

MS Word でWWWページを作成する場合、次の点に注意する必要がある。

WWWページは、5.6節で説明したように、HTMLという言語で記述される。HTML は、文書の構造を記述するものである。HTML で記述できる文書 の構造の例を、以下に示する。

HTML では、文書の構造を記述することがでできるが、表示の方法 を記述することは、本来はできない。表示の方法とは、文字のフォント、大き さ、色、行間などのことである。一方、ワードプロセッサは、本来、このよう な表示の方法を設定するものである。よって、MS Word で WWWページを作成す る時には、文書の構造に注意し、表示の方法にはあまりこだわってはならない。 たとえ手元のブラウザで美しく見えるように表示の方法を凝ったとしても、イ ンターネットの他の種類のブラウザで見た時には必ずしも美しいとは限らない。 表示の方法は、WWWページを見る人がブラウザのオプションを変更して変える ことができるものである。

MS Word を使って WWW ページを作成するには、次の2つの方法がある。

  1. MS Word が持っている HTML 文書編集機能を活用する。最初から HTML 形式で 保存する。HTML が持っている機能を活用することができる。表面上は、HTML のタグを見ないでワープロと同じような方法で文書を編集することができる。 しかしながら、実際には、HTML で使う考え方(見出し、箇条書、リンク、イ ンライン・イメージ)などを知っている必要がある。
  2. MS Word で作成した文書を HTML 形式で保存する。ワープロの文書からWWWに 発信する情報を作成する時に便利である。

■MS Word を WWW ブラウザとして使う

パソコンで MS Word を実行すると、ツールバーに眼鏡のボタン( , Switch To Web Browser)がある。 これを押すと、MS Word が WWW ブラウザになる。 逆に元のワープロに戻すには、鉛筆のボタンを押す。

WWW ブラウザにすると、「アドレス」というボタンが現われる。これは、 Netscape の「開く(Open)」ボタンと同じ役割を果たすものである。 つまり、これを押して現われたウィンドウに URL を打ち込むと、そのページ が画面に表示される。

このブラウザの使い方は、Netscape と良く似ている。

図5.7.1 MS Word を WWW ブラウザとして使う

図5.7.1 MS Word を WWW ブラウザとして使う

■MS Word による HTML 文書の作成

MS Word には、 HTML 文書編集機能がある。この機能を利用するには、 新規作成の時に、「HTML(HTML.dot)」というテンプレー トを選ぶ。ファイルを保存するときには、「HTML文書」という 形式を用いる。この形式の文書の拡張子は、「.htm」になる。後でサー バにコピーし、個人のWWWページにするためのファイルは、 「index.htm」という名前で保存する。

HTML を編集するために便利な機能は、ツールバーにボタンとして並んでいる。 よく使う機能には、次のようなものがある。

挿入された図やグラフは、自動的に GIF 形式に変換され、インライン・イメー ジとなる。

図5.7.2 MS Word の HTML 編集機能のボタン

図5.7.2 MS Word の HTML 編集機能のボタン

■MS Wordの文書を HTML に変換する

既に作成した MS Wordの文書を HTML に変換することもできる。それには、次 のようにする。

  1. 変換したいファイルを開く。
  2. ファイル・メニューの「名前を付けて保存」を選ぶ。
  3. ファイルの種類」として、「HTML文書(*.htm)」を選択する。
  4. 保存する。

図5.7.3 MS Word の HTML 形式で保存する機能

図5.7.3 MS Word の HTML 形式で保存する機能

■MS Word で作成した HTMLファイルをNetscape で表示する

MS Word で作成した HTML ファイルは、そのまま MS Word のブラウザ機能で 表示させることができる。しかし、他のブラウザでもどのように表示されるの か確認した方がよい。MS Word で作成した HTML であっても、 Netscape で表 示させることができる。それには、その HTML ファイルのアイコンをドラッグ して、Netscape のアイコンにドロップする。あるいは、Netscape を実行した 後で、ファイル(File)メニューの「ファイルを開く(Open File)」を使う。

■作成したページをサーバへコピーする

パソコンの MS Word で作成したHTMLファイルをサーバへコピーすることで、 世界中からアクセス可能なWWWページになる。

◆URL

筑波大学教育用計算機システムでは、個人のホーム・ページの URL は、次の ようになる。

http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/~ログイン名/index.html

ログイン名は、kterm や telnet でサーバ(Sun, icho) に接続する時に、login: に対して打つもの (s学籍番号)である。パスワードではない。

WWWサーバの働きにより、例外的に、index.html というファイル名 だけは、省略することもできる。よって、次の短い URL も個人のホーム・ペー ジの URL として有効である。

http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/~ログイン名/

index.html は、ホーム・ページを表わすファイル名としてよく利用 されるものの1つである。正確には、これは、ディレクトリ名だけが指定され た時に使われるファイルの名前である。index.html 他に、 Welcome.html というファイル名も多く利用されている。

◆ファイル

上の URL は、サーバ上の次の名前のファイルを差し示すことになる。

~/www/index.html

つまり、個人のホーム・ページを作成するには、サーバ上で、この名前のファ イルを作成し保存すればよい。「~」 は、ホーム・ディレクトリを意 味する。「~/www」 は、ホーム・ディレクトリの下に作成された、 「www」という名前のディレクトリを意味する。なお、「www」 の他に、「public_html」 という名前もよく使われる。

このディレクトリは、サーバ上のシェル(「% 」が表示される 画面、コマンドモード)に対して、次のように打ち込むと作成することができ る。

--------------------------------------------------------------------
% mkdir ~/www   [←]
% []
--------------------------------------------------------------------

この操作は、一度だけ行えば十分である。

◆FTPによりサーバへコピー

ディレクトリ ~/www を作成したら、FTP プログラムを使って、作成 したHTML ファイルをサーバへコピーする。それには、次のような手順で行う。

  1. Windows95 のデスクトップにある、ftp と書かれたアイコンを ダブルクリックして、FTP プログラム(ファイル転送プログラム、ファイルを コピーするプログラム)を実行する。
  2. FTP プログラムでサーバへ接続する。ログイン名とパスワードを打ち込む。
  3. 接続に成功すると、サーバにある自分のホーム・ディレクトリ(~/) の内容が表示される。ディレクトリ選択メニューを使って、www を選択する。 (先に、サーバで mkdir ~/www [←] を実行していなけれ ばならない。)
  4. ~/www の内容が表示される。(一番最初にこれを実行する時には、ディ レクトリの内容は空である。)
  5. 転送モードがバイナリであることを確認する。
  6. パソコンで作成したファイルのアイコンを、~/www の内容が表示され ている所(最初は空)に、ドラッグ&ドロップでコピーする。
  7. ここで「index.htm」という名前を「index.html」に変 更してもよい。

同じような手順で、画像もコピーすることができる。

図5.7.4 ftp でサーバにコピーする。

図5.7.4 ftp でサーバにコピーする。

■参考資料

この手引きに関して追加情報が、次のページにある。 この手引きに関して追加情報が、次のページにある。

http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/~yshinjo/tebiki/

ここからは、同じ情報処理(実習)でWWWページ作りをしている他のクラスの様 子を見ることができる。

HTMLの文法については、この手引きの 5.6節で説明している。

MS Word については、この手引きではなくもう1冊の手引き(パソコン編)で 説明している。インターネット・アシスタントについては、オンラインの説明 書がある。それを読むには、HTML を編集している時、または、MS Word をWWW ブラウザとして使っている時に、「ヘルプ」メニューの 「インターネットアシスタントヘルプ」を選ぶ。また、 「ファイル」の「ホームページを開く」で見つかる 「DEFAULT.DOC」も、参考になる。


Last updated: 1998/02/13 18:25:11
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>